家族・友人と工夫する
関節リウマチ生活

第4回 入浴編

監修:大阪医科大学 リハビリテーション医学教室 
教授 佐浦 隆一 先生

入浴を、心身ともにリラックスできる時間に

関節リウマチ患者さんにとって、入浴は体を清潔に保つためだけのものではありません。入浴には、体を温めて血行を改善し、炎症や痛みを抑える効果が期待できるほか、ストレスの解消にもつながることもあります。患者さんにとって大切な入浴が、安全でリラック(楽)スできる時間となるように、入浴環境を整える工夫や便利な道具を紹介します。

転倒による骨折は、介護が必要になる大きな原因

健康な方にとって、転倒はそこまで大ごとには感じられないかもしれません。しかし、関節リウマチの患者さんは、治療や運動不足などの影響で骨や筋肉が弱くなっていることが多いので、小さな衝撃でも簡単に骨折してしまいます。そして一度骨折すると、それをきっかけに介護が必要になったり、車椅子生活や寝たきりになったりすることが少なくありません。
国が行った調査でも、転倒・骨折は介護が必要になったきっかけの第3位です。患者さんが安全に、安心して入浴するために、浴室は滑りやすいので、必ず転倒防止の対策を行うようにしてください。

介護が必要になったきっかけ(要支援者)

1位 関節疾患

2位 高齢による衰弱

3位 転倒・骨折 平成28年 国民生活基礎調査

次ページでは、入浴が、安全でリラックスできる時間となるように、
入浴環境を整える工夫や便利な道具を紹介します。

患者さんにとって、
安全で安心して使える浴室とは?